山口県のプロジェクションマッピング

日本初!海峡の両側でプロジェクションマッピング

山口県下関市と福岡県北九州市で2017年3月18日(土)、19日(日)、 九州と本州の間にある「関門海峡(かんもんかいきょう)」の両側で同時にプロジェクションマッピングを見せるイベントが行われます。 海峡を挟んでのプロジェクションマッピングの同時投影は日本で初めてです。

会場は、下関の唐戸市場

会場は、本州側が山口県下関市の「唐戸市場(からといちば)」。下関で水揚げされたフグなど新鮮な魚料理が食べられる名物市場です。 歴史と漁業の街の象徴でもある、近代的なオーシャンフロント「あるかぽーと」の一角にあります。

九州側は門司港で

一方、九州側の会場は、大正レトロの雰囲気が漂う門司港(もじこう)の レトロ地区の歴史的建造物「旧門司税関」(北九州市門司区)。 建物の壁面に投射されます。

関門海峡の未来像をCGに

プロジェクションマッピングで映し出される映像のテーマは、関門海峡の歴史と未来。 関門海峡の歴史回顧から、この海峡を通った偉人たちのヒストリーをプロローグに、 関門海峡の歴史と未来像)を、CGと光と音の演出で近未来的に描きます。

PICSや上原桂氏が担当

映像制作を手掛けたのは、東京駅や東京スカイツリー、横浜ランドマークタワーなどのプロジェクションマッピングに携わった「P.I.C.S.」(株式会社ピクス:東京都)。 演出・脚本は、「東京オリンピック2020」招致PRムービーなどをつくった日本CM界のヒットメーカー「KOO-KI」(空気株式会社:福岡県)に所属し、 東京ビックサイトのプロジェクションマッピングを手掛けたディレクター・上原桂氏が担当しています。

フィナーレのイベント

今回のプロジェクションマッピングは、2016年12月に始まった下関と北九州の地域おこし「かんもんみらいプロジェクト」のフィナーレを飾る目玉イベントです。 当日は、同時開催イベントとして、下関の名産品と北九州の地元グルメを集めた「フードイベント in かんもん」(3月18,19日16:00~21:00)や 新たな関門ブランドとなる商品、サービスを広く募集する「かんもんみらいプロジェクト・ファイナルイベント」(3月18日14:00~)も行われる予定です。

≪関門プロジェクションマッピング詳細≫

□ 実施日時:2017年3月18日(土)、19日(日)
    (1)18:30~ (2)19:00~ (3)19:30~ (4)20:00~ (5)20:30~ (6)21:00~
□ 場 所:下関市:唐戸市場駐車場(山口県下関市唐戸町5-50)
    北九州市:旧門司税関(福岡県北九州市門司区東港町1-24)
□ 参加費:無料

過去のイベント

3DのCG動画でドラマを再現

歴史ファンの注目に加え、舞台となったご当地からも地域活性化への期待が集まるNHK大河ドラマ。2015年1月に始まった「花燃ゆ」では、ドラマにちなんだゆかりの資料などを展示する「大河ドラマ館」が、山口県などで過去最大規模の計3館で開館しました。「プロジェクションマッピング」(3Dマッピング)を使って、ドラマを動画で再現する試みも始まっています。

大河ドラマ館

大河ドラマ館は、主に各自治体などが名乗りを上げる形で運営。NHKの関連会社、NHKエンタープライズ(NEP)が、展示内容の企画・制作を請け負っています。

2013年の「八重の桜」では福島県に、2014年の「軍師官兵衛」では兵庫県にそれぞれ開館。NEPによると、両館の年間来場者数はともに60万人を超え、2014年以降に企画された同様の施設の中でもトップクラスに入ったといいます。

山口県萩市でも

2015年、山口県萩市、防府市、群馬県前橋市に開館した「花燃ゆ」関連3施設の延べ面積は、「軍師官兵衛」の約4倍。萩市では松下村塾を中心とした長州藩士の紹介をテーマとする一方、前橋市は主人公、文(ふみ)の夫となる楫取素彦(かとりもとひこ)の業績の紹介に注力するなど、それぞれ地域色を打ち出しているのが特徴です。

視聴率を気にせず

ドラマ本編の視聴率は序盤、伸び悩んでいるものの、萩市のドラマ館には2015年1月11日のオープンから約1カ月で、約2万人が来館。施設を運営する山口県萩市の推進協議会は「ドラマの視聴率は気にしていません。今後の行楽シーズンに向け、企画を充実させていきたいです。」と強調しています。

会津にちなんだイメージ映像のビデオマッピング

作品から派生したご当地の催しが、番組放送後に定着する事例も表れてきました。福島県会津若松市では、「八重の桜」が放送された2013年から、鶴ケ城に会津にちなんだイメージ映像を映し出す「プロジェクションマッピング」(ビデオマッピング)の取り組みを始めました。

城に投影も

以来、企画は2015年3月で3回目を数え、4万人規模の来場を見込むイベントに成長。2015年は2014年に続いて音楽家の大友良英さんらが音楽制作を担当し、「赤べこ」をモチーフにした映像が城に投影されます。

岩国の錦帯橋にCG映像

山口県岩国市の名勝、錦帯橋で2015年5月30日夜、橋脚をスクリーンにしたコンピューターグラフィックス(CG)の映像を投影するプロジェクションマッピング「時空の架け橋」が行われました。岩国青年会議所が創立60周年記念事業として企画されました。

世界文化遺産登録を目指す

映像は、5連のアーチ橋の特徴を生かし、3カ所の橋脚部分(上流側)に、錦帯橋をテーマにしたCGを映し出しました。一般財団法人最先端表現技術利用推進協会が制作しました。国指定天然記念物の「岩国のシロヘビ」や、特産の「岩国れんこん」なども随所に表現されました。

山口県岩国市は錦帯橋の世界文化遺産登録を目指しています。

コンピューター・グラフィックスを天井や建物に

山口県周南市の徳山駅周辺商店街の銀南街などで、コンピューター・グラフィックスを天井や建物に投影する「プロジェクションマッピング」が行われました。

夜景のPRイベント

観光資源として注目される夜景を楽しんでもらおうと、山口、福岡両県の6市の自治体や団体が2013年10月から12月にかけて、夜景をPRするキャンペーンを展開しました。期間限定でライトアップされる観光施設や各市自慢のイルミネーションを楽しめました。

防府、宇部、山陽小野田、下関など

イベントは「大夜景キャンペーン~史上最大の夜景観光大作戦」と名付けられました。東は周南市、西は北九州市まで瀬戸内海沿いの防府、宇部、山陽小野田、下関を含めた計6市の自治体や団体が参加しました。

周南冬のツリーまつり

周南市では2013年10月11日に「夜景サミット2013in周南」もありました。2013年10月25日からは「周南冬のツリーまつり」が開幕。JR徳山駅から伸びる御幸通り沿いを皮切りに、市中心部の公園などが順次ライトアップされました。
2013年12月上旬には徳山駅周辺商店街の銀南街などで、コンピューター・グラフィックスを天井や建物に投影する「プロジェクションマッピング」を実施しました。

火の山公園と海峡ゆめタワー

下関の2大夜景名所は、関門海峡を中心に広がるパノラマが楽しめる火の山公園と海峡ゆめタワー。高さ153メートルのタワーは2013年11月中旬からクリスマスまでイルミネーションで演出。海峡沿いのアミューズメント施設「はい!からっと横丁」の大観覧車からの眺めも観光客を喜ばせています。

防府の大平山

防府市では防府市内で最も高い大平山(標高631メートル)から市街地の夜景を一望できるよう、2013年10~12月の第3土曜日は大平山ロープウェイの運行時間を延長しました。最終便は上りが午後8時40分、下りが午後9時出発でした。

周防国分寺
春風楼

奈良時代に聖武天皇の命で国ごとに置かれた国分寺の一つである周防国分寺(2013年11月2~10日の土日の午後6時半~午後9時)や、防府天満宮の国の登録有形文化財の春風楼(2013年11~12月の土日・祝日の午後6時半~午後9時)では、ライトアップも実施されました。

イルミネーションが彩る「サンタクロスロード」

宇部市のときわ公園では2013年12月から2014年1月にかけて、100以上の出展団体がツリーやオブジェなどのイルミネーションで美しさを競う「TOKIWAファンタジア」や、同時期に宇部中央銀天街をイルミネーションが彩る「サンタクロスロード」が催されました。

「シーモール下関」の外壁をスクリーンに

山口県下関市は2015年2月2日、旧下関市と豊浦郡4町との合併10年を記念し、JR下関駅前のエキマチ広場で2月13~15日夜、プロジェクションマッピング(プロマPM)を実施しました。複合商業施設「シーモール下関」の外壁をスクリーンに見立て、イワシクジラや関門タコ、壇ノ浦の戦いなど、市にゆかりの映像を映し出しました。

建物外壁のデザインの特徴にあわせ

プロジェクションマッピング(プロマ)は、建物外壁のデザインの特徴にあわせてコンピューターグラフィックス(CG)の映像を投影する技術。3カ月がかりで7分間の映像に仕上げました。

関連ニュース

東洋大学で巨大なプロジェクションマッピング

2016年7月25日、日刊工業新聞

112メートルの投影実験

東洋大学理工学部(埼玉県川越市)は、東洋大学理工学部キャンパスの通路上に全長112メートルにおよぶプロジェクションマッピング投影実験を行っている。

五輪の動画と競争

リオデジャネイロでの五輪・パラリンピックを控え、東洋大学出身の選手向けの応援メッセージや、各国の国旗などが流れる動画を投影。100メートルトラックでは歴代100メートル五輪記録保持者らの動画と競争できる。2016年8月4日までの毎週月、火、水曜日(木曜日は最終日のみ)の19時半-20時に見学できる。

16台のプロジェクターを1台のパソコンで動かす
スマホのGPS機能と連動

東洋大学総合情報学部総合情報学科の多田光利教授が率いるアスリート応援ゼミなどが実施。16台のプロジェクターを1台のパソコンで動かし、動画を連続して映す仕組みを構築した。スマートフォン(スマホ)のGPS機能と連動することで、画像上を歩くと通り過ぎた画像が切り替わる仕組みも採用した。

遠隔相互教育
陸上トラックでのトレーニングに活用も

これまでも大学間協定を結ぶ東南アジアの複数大学との遠隔相互教育などでプロジェクトマッピング利用を進めてきた。多田教授は次のステップとして、2020年の東京五輪・パラリンピックをにらみ「プロジェクターを2倍の32台に増やし、長さ200メートル以上の陸上トラックでのトレーニングに活用したい」と話す。